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郵政改“悪”法案

●郵政改革法案 WTO義務に違反の可能性も 在日米商工会議所会頭
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/100501/fnc1005011926014-n1.htm

在日米国商工会議所のトーマス・ウィッソン会頭が、日米間の最大の通商課題として郵政関連事業の見直しを挙げるとともに、先日の郵政改革法案の内容が、世界貿易機関(WTO)の「サービスの貿易に関する一般協定」にある、自国企業と同じ待遇を外国企業に保障するよう義務づけた内国民待遇規定に違反するのではないか、と指摘したとのことである。

この郵政改革法案は何から何までおかしいと私は思っている。

まず、内容ではなく、政治的なプロセスとしてのおかしさを感じている。
2005年に行なわれた第44回衆議院議員総選挙は、いいか悪いかは別にして、郵政民営化を問う選挙として位置づけられ、“郵政選挙”と呼ばれるほど明確な争点が示されていた中で、自民党・公明党が歴史的な大勝利を収めた。したがって、これは、国民の意思として、郵政民営化に賛成したと私は理解している。
しかし、2009年に行なわれた第45回衆議院議員総選挙は、政権選択や政権交代を問う選挙であったと私は理解している。各党のマニフェストで、郵政問題について触れられてはいたものの、郵政問題が特にメインテーマとして取り上げられていたわけではない。したがって、2009年の総選挙で、郵政問題に関する国民の意思が示されたものとは到底思えないのだが、政権交代により、おかしな方向に進んでいこうとしている。しかも、これを強行に進めようとしているのが、議員数10名に満たない国民新党である。なぜ、このような少数政党の意見で、大きな舵取りがなされてしまうのか、まったくもって納得ができない。

内容として、民主党の案が採用されるのであれば、まだわかるが、民主党が以前示していた郵政改革法案は、実はあまり小泉郵政改革と差はない。今回の郵政改革法案の内容は、国民新党が示す方向性が色濃く反映されたものである。今回の郵政改革法案の要旨を以下に示す。

●日本郵政グループの4分社化体制を見直し、持ち株会社と郵便事業会社、郵便局会社の3社を統合、その下にゆうちょ銀行とかんぽ生命保険を置く体制にする。
●政府は持ち株会社に対して3分の1超出資。持ち株会社はゆうちょ銀行とかんぽ生命に対してそれぞれ3分の1超出資する。
●ゆうちょ銀行の預入限度額を現在の1千万円から2千万円に引き上げる。かんぽ生命の保険金上限額は現在の1300万円から2500万円に引き上げる。
●基本的なサービスを全国あまねく公平に行うユニバーサルサービスについて、現在義務付けられている郵便事業に加えて、ゆうちょ銀行、かんぽ生命にも拡大する。
●かんぽ生命にがん保険などの新規事業への参入を認める。
●日本郵政グループの会社間の取引で生じる年間500億円規模の消費税を免除する。
●ゆうちょ銀行やかんぽ生命に対し、金融検査の手続きを簡素化する。

ご覧のとおり、民営化を通じて、経営の効率化を図り、規模を縮小するという改革の本来あるべき姿からは大きく逆行し、日本郵政の公的性格を強め、肥大化を容認する内容だ。
問題点は数多あるが、特に気になるところを挙げると、上記2点目と3点目、即ち政府出資が残る状況で郵貯の預入限度額と簡保の保障限度額をそれぞれ2倍に引き上げるというところだろう。多くのWebサイトでも言われていることではあるが、政府出資が残る中での引き上げは、「暗黙の政府保証」と受け取る国民が民間金融機関から預金を郵貯に移すことが考えられる。これは、地方の信用金庫など小規模金融機関にとっては、危機である。預金獲得のために、ゆうちょ銀行と民間銀行の金利競争に発展し、消耗戦に陥り、結果、小規模金融機関が倒れていくことになるだろう。狙いのうちの一つとして、こうした金融機関を整理しようとしているのだろうか。

郵貯の預入限度額を2000万円まで引き上げたのには、団塊世代の退職金を吸い込む狙いがあるとも噂されているが、こうして集めた多額の資金をどう運用するのかという疑問がある。これについては、亀井静香郵政改革相や原口一博総務相らが、郵貯と簡保が保有する資産の一部を国内外の道路や橋などに投資すると主張している。
これも実におかしな話だ。もともと、郵貯マネーが財政投融資計画を通じて特殊法人に流れ、無駄な事業の温床になっていたことが問題視され、巨額の郵貯マネーを政治の支配から解放することが郵政改革の本質の一つであったはずである。しかし、再び政治の支配に戻そうとしているわけで、財政投融資の復活とも言える。
また、超長期にわたる海外への投融資はリスクが高い。鳩山政権は地方のお年寄りの利便性や貯金を守るために改革を行うと主張しているが、貯金をリスクにさらし、かえって国民負担を増すことになるのではないか。

先ほどの要旨の2点目、3点目に加え、5点目、6点目、7点目は、完全に、官製金融機関の保護と肥大化と、公正な競争条件/市場競争環境の阻害、民業の圧迫を容認するものである。特に国民に影響があると考えられるのは、6点目の年間500億円規模の消費税の免除だろうか。これは、「全国一律サービス」維持のためと言われているが、結局、この消費税の減免分は、間接的な国民負担であることを示しているわけである。政府の資金が入り国民負担が増す、、、これはもはや民営化への道を閉ざし、巨大な官製金融機関を作るということに他ならない。つまり、完全に時計の針を逆方向に回し、世界の流れにも逆行していこうということだ。冒頭で示した記事にあるとおり、欧米からWTO義務違反と言われるのも当然であり、またこれだけでなく、様々な圧力を受けることは間違いないだろう。

さらに、亀井静香郵政改革相は、日本郵政にいる約20万人の非正規社員のうち半分の約10万人を正社員化する計画を打ち出している。10万人が正社員化すると、人件費は年間で2000億~4000億円も増すと想定されている。原口一博総務相は、この考え方に対して、「しっかりまかなえる強い経営体質を目指すことを期待する」と語っており、支持しているようだ。しかし、この動きも、明らかに民営化や合理化への道を閉ざすためのものだ。即ち、正規雇用を増やすことで、リストラによる事業縮小を難しくする狙いがある。また、郵政の票もまとめておきたいと考えているのかもしれない。いずれにせよ、雇用対策に名を借りた姑息な手段であり、憤慨してしまう。
そして、人件費増の分をまかなえる強い経営体質など、政治による支配と保護の下で養えるはずがない。これにも憤りを感じてしまう。

最後にもう一つだけ指摘しておくが、この郵政改革法案には、政府出資が3分の1超であることは示されているが、いつ、いくらに下げていくかということはまったく示されていない。これは、郵政民営化を阻止する考えであり、効率化・合理化・市場化への改革を進めようという意思はない。これらの内容は、どう見ても、郵政改“悪”法案だと私は思っている。

これまでのブログにも再三書いてきたが、オープン化やフラット化が進む中において、そうした動きに積極的に対応することが国にも企業にも求められていると私は思う。そして、当然、政府は、こうした民業に近い領域への介入は、できる限り行なわないべきだと思っている。これらに逆行する政策については、断固反対だ。
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辻 大志

Author:辻 大志
コンサルティング会社に勤める会社員。
この場を借りて、自分の意見や考え、日々の戯言を綴っています。
一人でも多くの方に読んでいただき、繋がりを持っていきたいと思っています。
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