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国家との契約

●11年度税制改正:大綱決定 法人税5%下げ、アジアとなお格差
http://mainichi.jp/select/biz/news/20101217ddm008020034000c.html

平成11年度税制改正大綱が発表され、国と地方合わせて約1.5兆円規模の減税となる法人税の実効税率5%引き下げとなった。デフレ脱却と雇用拡大を最優先とする方針を受けてのことだが、果たしてどれほどの効果があるか。

この記事にもあるとおり、5%引き下げたとしても、中国、韓国、台湾などのアジア勢とは10%の開きがある。大きくなるばかりの差が幾分減少したに過ぎず、未だに高い水準にあり、これによる経済効果も極めて限定的であろうというのが大方の見方だ。生産拠点の海外流出による産業空洞化に対しても、ほとんど効果はないだろう。

どうせ法人税を引き下げて、経済的な効果を狙うのであれば、アジア勢水準に持っていくくらいのことが必要であるが、この5%引き下げ分の財源も見つけられない状況では、これ以上を望むことは難しい。もはや産業空洞化に歯止めをかけることも困難であるし、この5%引き下げ分の財源を国民に求めるとすれば、経済効果も期待できない。デフレ脱却と雇用拡大もまだまだ見えてくる気配はない。

こうした財政の話になると、本当にもう手立てがないんだなと茫然とした気分になる。日本の企業も個人も、国の財政政策や金融政策によって立ち直ることは難しい。むしろ、国の財政状況によって、足を引っ張られ、負のスパイラルに巻き込まれている。こうした閉塞感から、生産拠点のみならず、様々な拠点やリソースが海外流出していくことになるだろう。これはもう止められない。

グローバル化やフラット化を考えれば、日本企業や日本人が日本から海外のどこかに行くことは望ましい傾向のように思えるし、自分もそろそろ海外を真剣に考えなければと思うのは私だけではないだろう。しかし、そのとき、この国はどうなるんだろう。

私の見解では、国というのは形骸化が進んでいくと思っている。しかし、土地があって社会がある以上、そのインフラを運営する母体が必要で、それは税金等が必要になる。それは社会契約として成り立っているわけだが、日本企業や日本人が海外に行き、契約先をその行った先の地域に変更すれば、日本という国と契約する人々の数が減る。そうなれば、国の歳入は減り、行政サービスは低下し、さらに契約者が減っていくことになるかもしれない。

これは、見方によっては、企業や個人が国を見限って、一方的に契約変更をする行為のように見える。だが、一方で、国が今までの政治によって債務不履行を繰り返し、契約先として妥当でないと判断されるのも当然のように思える。税金というのは、支払う代わりに、きちんとした国家システムの運営、行政サービス、将来への備えなどを提供してもらうことを意味していると思う。これが様々な形で裏切られたら、契約内容を見直したり、契約先を考え直したりすることになるのは謂わば必然のように思う。

政府や政治家は、デフレ脱却、雇用拡大、産業流出の歯止めを考える前提として、これまでの債務不履行をどのように穴埋めするのか、その先に双務契約上のサービスをどのように展開するのかという基本的な理解と姿勢がなければならないと思う。そうでなければ、この契約は成り立たない。産業の空洞化を、単にコスト削減等を目指した生産拠点の移転とだけ捉えているのだとすれば、それは誤りだろうと思う。高い税率ならば良いサービスを提供しなければなるまい。そのバランスが取れたときにやっと検討の俎上に上るのだ。今のままでは、ほとんど検討することなく、現実的な可否はさておき、誰でも海外に出ていこう、出ていきたいと考えるだろう。
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テーマ : 思ったこと・感じたこと
ジャンル : 日記

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辻 大志

Author:辻 大志
コンサルティング会社に勤める会社員。
この場を借りて、自分の意見や考え、日々の戯言を綴っています。
一人でも多くの方に読んでいただき、繋がりを持っていきたいと思っています。
どうぞ、よろしくお願いいたします。

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