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鈍感化

●ドイツ:若者の2割、アウシュビッツ知らず ナチスの歴史、風化進む--雑誌アンケート
http://mainichi.jp/select/world/news/20120127dde007030019000c.html

第二次大戦中、ナチス・ドイツが多数のユダヤ人を密室に閉じ込め毒ガスで殺害したポーランド南部のアウシュビッツ強制収容所について、ドイツの若者の5人に1人が「知らない」と回答したそうだ。日本で言えば、真珠湾攻撃や南京大虐殺を若い人たちが知らないといったことに近い感じだろうか。とにかく、歴史の風化がここまで進んでいるということに驚きを禁じ得ない。

戦後70年近くが経過している。当時、赤子だった人たちも、今や老人となり、戦争の悲劇的な話も薄れていくことは、ある意味、当然であり、仕方のないことなのかもしれない。しかし、こうしたことを次の世代に伝えていくことは、文化や芸能を伝承していくこと以上に、重要なことのように思う。悲劇を繰り返さないために、悲劇の物語と教訓は、語り継がれなければならないだろう。

とは言え、そういう私だって、当然、戦争を直接体験したわけでもないし、親も戦争を体験した世代ではない。亡くなった祖父母たちから聞いただけだから、歴史の物語や知識としてはいるものの、確実にその感覚は薄らいでいる。これは如何ともし難いことだろう。

戦争のころの映像を見たりすることもできるが、これも伝わらない。最近では、そんな戦争の頃の映像よりも、恐怖を感じるような映像やゲームを簡単に見たりすることもできる。このご時世に生きている人間は、高度に発達した映像技術等のせいで、鈍感になっているように思う。9・11のときの映像も悲惨な絵だとは思うが、ハリウッド映画の一場面だと言われたら、そうなのかと思ってしまうかもしれない。

普段の生活の中の娯楽で刺激を求め、技術の発展とともにそれが満たされてくると、刺激に対して鈍感になっていく。そういう人間たちに対して、かつての戦争の苦痛や悲惨さを伝えようとしても、簡単には伝わらない。もはや実際に経験するしかわからないのかもしれない。他の動物と違い、言葉などを用いて伝承することができる人間も、結局、本当に伝え続けなければならない大事なことの本質を伝えられない。なんとも淋しい話だ。

今後ますます人間の鈍感さは増していくだろう。鈍感さを増した人間に、過去の戦争の話や映像を伝えようとしても当然伝わらない。そして、戦争という危険な領域への境界線を踏み越えることにも鈍感になり、ちょっとしたきっかけで戦争を始めるように思う。この鈍感さを積み重ねる状態は、臨界状態に近づいている過程であり、思いがけぬ小さなことで雪崩が起き、戦争状態に突き進むように思う。

最近、M7級の首都直下型地震が4年以内に70%という確率で発生するという話が巷で話題になっているが、我々が恐怖を感じるべきものは地震だけではなさそうだ。世界を火の海にしてしまうような戦争も、この鈍感化している人間社会の中では、いつ起きてもおかしくない。今、私たちはそういう中で生きているんだ。
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テーマ : ひとりごとのようなもの
ジャンル : 日記

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辻 大志

Author:辻 大志
コンサルティング会社に勤める会社員。
この場を借りて、自分の意見や考え、日々の戯言を綴っています。
一人でも多くの方に読んでいただき、繋がりを持っていきたいと思っています。
どうぞ、よろしくお願いいたします。

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